今週末は日本アンドロロジー学会に参加してきました。
アンドロロジーとは男性医学のことで
などを扱う学問です
Postorgasmic illness syndrome (POIS)
日本語では オルガスムス(オーガズム)後症候群
と言います。
花粉症、サバアレルギーなどさまざまなアレルギーがあり、人類を困らせますが
アレルギーは色々なものに起こります。
そうです、精液でも起こりうるのですね。
アレルギーとは本来身体に害のないものに、免疫が反応してしまう病態です。
精液に含まれる何らかの物質に反応してしまいます。
POISは
射精後の
倦怠感、熱感、気分低下、インフルエンザ症状
などが発現し、数日から1週間続く方もいます。
ポイントは射精後です。
射精する前、精液が前立腺や精嚢にいる場合は問題なく尿道や精路を通過する際に免疫細胞に反応されてしまう、との仮説が唱えられています。
また、
アトピー性皮膚炎やその他のアレルギーを持っているとリスクが上昇し
の方もPOISのリスクであることが示唆されています。
検査方法は
各種アレルギーの検査や
皮膚プリックテストといって精液にアレルギーを生じるか
を検査する方法もあります。
僕もこのような症例を経験したことがありますが
精液のプリックテストを行いましたが、アレルギー反応はありませんでした。
アレルギー反応ではなく、精神的な疾患であるとの声もあります。
若年者の発症も多く精神的な可能性も否定できません。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25630453
また、中国人のPOIS患者さんでもアレルギーの異常はみとめられなかったとのこと。
治療法は
ロキソニンなどのNSAIDs、抗アレルギー薬などが提唱されていますがはっきりしません。
もしかしたらPOISは、アレルギーではなくホルモンの異常かもしれませんね。
今回の発表ではテストステロンが低値で
NSAIDsとテストステロン補充で症状が改善したとのことでした。
POISはまだまだ確立した疾患とは言いにくいですが、このような病態もあります。
世界でも50例程しか報告されていない稀な疾患です。
病態は謎が多いです。
なかなか相談しにくいことで、どこに相談して良いかわからないかもしれません。
泌尿器科医師でも、POISの存在を知らない先生も少なくないのではと思います。
少しでも啓蒙活動になれば幸いです。