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泌尿器科専門医であり、メンズヘルケアをライフワークとするDr.KOBAが、いつまでもカッコよく元気で過ごすため秘訣を伝授!

犬は前立腺癌を嗅ぎ分けることができる!?

皆様、おはようございます。

Dr.Koba です。

 

今日は論文のご紹介。

なんと前立腺癌があるかどうか、を犬におしっこを嗅がせると判別できるという。

しかも、かなりの高確率です。

 

前立腺癌は近年に急激に増加し、男性での癌罹患率1位になると言われているほどの癌です。

 

Olfactory system of highly trained dogs detects prostate cancer in urine samples.

高度にトレーニングされた犬は尿検体で前立腺癌の有無を嗅ぎ分けることができる

www.ncbi.nlm.nih.govなんとも面白い論文ですね。

しかも journal of urology という泌尿器科の一流の論文雑誌に掲載されました。

 

前立腺癌について。

最近はPSA(prostate specific antigen; 前立腺特異抗原)という前立腺癌の腫瘍マーカーにより比較的早期に発見することができます。

PSAが開発されるまでは前立腺癌を見つけることが困難で、多くが進行した状態で見つかりました。

PSAが高い場合は、MRIを撮影し、腫瘍が疑われる場合は

前立腺生検と言って、前立腺の組織を針で採取して顕微鏡で確認して癌の有無を決定します。

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直腸(肛門)に超音波の機械を入れて、会陰(キンタマの裏)から針をさして前立腺を採取します。他のやり方に直腸経由で前立腺を採取する方法もあります。

 

PSAが高く、MRIで異常な所見を認めた場合は前立腺癌である可能性は高いですが、

臨床ではPSAが少し高くて、MRIでは微妙、ということもよくあります。

そのため、確認のために前立腺生検を行うこともしばしばありますが(この場合の生検の必要性については議論されています)、前立腺生検は侵襲が少なくないのでやらないでいいならそれに越したことはありません。

 

そこでお犬様の登場です!

 

3歳、メス、の

ジャーマン・シェパード・ドッグ(爆発物の検知にも活躍する種類)

二匹(犬①、犬②)を訓練

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どうやら前立腺癌には揮発性有機化合物なるものがあるらしく、それを感知することで検出できる可能性があるのだとか。

 

対象

前立腺癌患者(早期癌から進行癌) 362例

健常な男性 540例

 

結果

犬① 感度100%、特異度98.7%

犬② 感度98.6%、特異度97.6%

かなりの高確率です。

感度・特異度とは統計学用語で

感度;病気がある人に検査結果が陽性となる確率

特異度;病気がない人に検査結果が陰性となる確率

感度が低いと病気がある人が検査しても陽性とならず見逃される可能性があり

特異度が低いと病気がない人に陰性とならず診断ができません。

大変ややこしい話になるので、感度と特異度が両方高い検査方法が精度の良いもの、と考えてください。

これらの他に、陽性的中率、陰性的中率、事前確率、事後確率、、、などなど色々と考えることがありますが今は無視してもらって構いません。

 

感度と特異度が両方高くてすごい、ということですね。

 

ちなみに、前立腺癌の悪性度や進行度、PSAの数値には影響されず

純粋に前立腺癌があるかどうか、ということで判断するみたいです。

 

要は 犬がこの患者には前立腺癌がない、と判断すれば不要な前立腺生検を受けずにすむ可能性がある、ということですね。

前立腺癌がある、と判断された場合は悪性度を見なければなりませんので前立腺生検が必要になります。

 

しかしながら、全国の医療機関に高度に訓練した犬を導入することは困難なので非現実的でしょう。

でも、こういう医療機関があってもいいですよね!

 

 Dr.Koba